九段坂病院は、1926年(大正15年)日本でも有名な桜の名所である千鳥ヶ淵の前に、華族や財閥の寄付で病院が設立されてから半世紀以上医療活動を継続してきました。多くの先人のご尽力によりここまで発展し、2015年11月未来へ向けて新病院移転が実現しました。

移転した九段坂病院は、千鳥ヶ淵から牛ヶ淵沿いに移動しいずれも変わらぬ桜の名所でございます。13階の職員食堂からの眺望は、皇居を一望できる最高のロケーションです。都心にいながらこれほど緑豊かな環境の中で看護の仕事ができるのは、当院ならではです。

患者さんだけではなく、そこで働く看護師をはじめとする多職種にとっても心豊かに仕事に就くことができます。

231床という中規模病院の良さを生かし、多職種と顔の見える関係の中で、患者さんに「ぬくもりのある看護」の提供ができる環境にあります。

病気になられた患者さんは、病気を治すためにご入院されます。治療を終えることがゴールではなく、治療を終えご入院前のQOLを取り戻すこと、もしくは可能な限り取り戻し社会復帰してこそ本当の意味でのゴールです。

私たちはそのゴールに向け、治療だけではなく患者さんを全人的にとらえ、外来受診・ご入院当初から継続した看護の提供や医療連携室看護師との連携、多職種との連携を強化しシームレスな退院支援ができるよう日々研鑽しております。

看護の質向上には、「看護師の質」と同様「院内教育の質」も重要となります。看護師の持っている能力が最高のパフォーマンスとして患者さんの看護に発揮されるよう、「看護教育室」に専従スタッフを配置しています。当院が目指す看護師像が具現化されるための教育プログラムの構築の検討も重ねています。

小規模でもキラリと光る九段坂病院の看護を一緒に実践してみませんか。お待ちしています。

看護部長 佐藤 八重子

看護の提供方式は、「固定チームナーシング+受け持ち制」です。患者さんが入院してから退院するまで一人の受け持ち看護師を決めて、患者さんの看護計画の展開に責任を持ちます。日勤勤務の時は、自分の受け持ち患者さんは、原則自分が担当する業務割り当てになっているので、患者さんのケアの継続性や評価がされやすく、「My Nurse / My Patient」の関係性が築きやすくなります。勤務は二交代制で、一般病棟は7対1看護配置の基準をとっています(2つのリハビリ病棟を除く)。夜勤看護師配置は3~5名程度です。

当院は二次救急を行わず、地域医療連携室や地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟などを設け、都心の高齢化がもたらす緊迫した課題である、「急性期から在宅復帰まで一貫した看護の提供」に取り組んでいます。患者さんの個別性を大切に、急性期から退院まで一連の過程にじっくり関わることができます。

当院では、大学病院などの医療機関や、在宅医療・介護施設などの地域の関係先と連携する地域医療連携室を設けています。他の医療機関や関係機関からの患者さんの紹介受け入れのご相談はもちろん、転院や退院の支援、在宅療養のご相談など幅広く対応。院内外の連携を迅速に、的確に行うことで地域医療に貢献しています。

当院1 階にある医療連携室は、千代田区高齢者総合サポートセンターを併設した珍しい複合機関です。「迅速・誠実・明確」をモットーに、入院から退院後のケアまで連携室担当者が一貫して窓口となり、支援していきます。院内外の関係先と共に、患者さんの思いをつなぐためにはどのような連携をとることがベストなのか、患者さんの思いを掴み伴走する看護とは何かを模索する、やりがいのある毎日です。

医療連携室